
- 作品名
- ふつつかな悪女ではございますが 〜雛宮蝶鼠とりかえ伝〜
- 出版社
- 一迅社
- 連載誌
- ZERO-SUMコミックス
あらすじ
皇帝から寵愛を一身に受ける玲琳はある日、ライバルの慧月に身体を入れ替えられてしまいます。
そばかすだらけで嫌われ者の慧月になった玲琳は、その境遇に嘆く・・・かと思いきや、「健康な身体を手にいれられた」と大喜び。
処刑されそうになったり、呪いをかけられそうになったりと波乱万丈ですが、前向きで少しずれた玲琳はそれらを全て受け入れて慧月の人生を謳歌します。
次第に周囲も嫌われ者である慧月の変化に気付き、次第に玲琳の人柄に惹かれていくようになります。
レビュー
女性(30代)
いわゆる悪役令嬢ものの中華ファンタジー版。
この作品の最大の魅力は主人公が悪役令嬢(慧月)に入れ替えられてしまうというところ。悪役令嬢という不遇な環境でありながら玲琳は虚弱体質であるため、健康な体を手に入れられたと喜びます。
特に自身を襲った罪で離宮へ移される玲琳ですが、そこで畑を耕し芋を栽培し自ら料理を始めます。手に入る食材が少ないので、イモ料理ばかり食べることになるのですが「油を使った料理を食べても倒れないなんて!」と自分が健康になった喜びをかみしめるシーンは思わず笑いがこぼれてしまいました。
少しずれている主人公ですが、自分付きの侍女が虐められていたならば毅然と立ち向かう姿を見せる点も魅力です。他のライバル達が見ている中で、侍女のために啖呵を切り実力を見せつけるシーンは何度読んでも爽快です。
そんな『ふつつかな悪女でございますが』は悪役令嬢ものが好きな方だけでなく、中華ファンタジーや中華後宮ものが好きな人にもおすすめの作品です。現在(2022年1月)2巻までしか発売していませんが、悪役令嬢としての人生を謳歌する主人公の生きざまは目が離せません。