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修羅の門

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修羅の門
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目次

あらすじ

千年間以上、無敗の歴史を誇る古流武術「陸奥圓明流」の継承者である陸奥九十九が、陸奥圓明流が最強であることを証明するため、競技の種類を問わず現代格闘技・武術の強豪たちと死闘を繰り広げる。
最初の相手は、最強の実戦空手を自負する神武館。

九十九はルールなしの喧嘩試合で神武館の王者、海堂晃を打ち倒す。
神武館を制した後、九十九は日本格闘技界に己の存在をアピールして、次は全日本異種格闘技選手権大会、アメリカへ渡ってプロボクシング世界ヘビー級統一チャンピオン、さらにブラジルの格闘技大会ヴァーリ・トゥードと次々と制覇していく。
目の前に闘うに足る相手がいる限り、陸奥の歩みは止まらない。

レビュー

男性(40代)

身長、体重がおそらく平均的な日本人よりもすこし小さい小柄で童顔の陸奥九十九が、幼少の頃からの鍛錬で得た陸奥圓明流の技と、絶対にあきらめない精神で強豪に立ち向かい必ず勝利を収めていくところが魅力です。

陸奥圓明流も含めて、作者が登場する実在の格闘技・武術の技術や歴史をよく研究したうえで、マンガならではのプラスアルファを加えて描いているので、格闘シーンにただの絵空事ではないリアリティがあります。
また主人公陸奥九十九は常勝無敗ですが、基本的にどの試合も相手の力をすべてださせたその上で勝つという試合スタイルで闘うので、余裕の勝利ということはほとんどなく、いつも必要以上にボロボロになります。
そんな主人公と対戦相手の力の出し惜しみ感のなさも魅力です。

第一部の最期の、神武館の海堂晃と川原で決闘するシーンで、九十九が陸奥圓明流奥義の無空波を作中はじめて放つ場面がオススメです。
修羅の門では、登場する格闘家がほぼそれぞれ個性的な必殺技を持っているのですが、それらはどの試合でも必ずいつも使われるわけではありません。九十九の無空波は、これがでればだいたい勝負が決まるといった超必殺技ですが、放つ側の体力の消耗が半端でなく激しいため、九十九の体力にある程度余裕がなければだせないし、もし外れたら、そこから先、九十九は満足に動けなくなるといったイチかバチかのある種の捨身技です。

こうした諸刃の剣を使わなければ倒せない強敵と対峙する怖さと愉しさ、そして勝負がついた後、川原に並んで大の字になる九十九と海堂の満足げな表情。
武術・格闘技に身も心も捧げて、そのばかばかしい自分の人生を笑う。
その後も、修羅の門で繰り返される格闘技家賛歌的なメッセージがこのシーンには込められていると思います。

以上のような理由で、この漫画を格闘技・武術が好きな人。そして、とにかく負けないヒーローが好きな人におすすめします。
現実に自分が格闘技をしている人も、漫画の中とはいえ、すべてを賭けて試合に臨む登場人物たちの姿をみて稽古や試合へのモチベーションがあがるのではないでしょうか。

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