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幽遊白書

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作品名
幽遊白書
著者
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目次

あらすじ

主人公は皿屋敷市に住む不良の浦飯幽助。
彼は交通事故に遭う子どもを助け、代わりに死んでしまう。
この世に迷惑がられ死んだ彼は死後の世界でこの世に戻れる代わりに心霊現象を捜査する霊界探偵を引き受ける事になった。

そんな彼が、街の心霊現象を捜査していく中、とてつもなく強い妖怪戸愚呂に目をつけられ、妖怪達の祭典暗黒武術会というバトルロイヤルに参加。
霊界探偵で知り合った仲間達とともに強者たちと闘っていくバトル漫画です。

レビュー

男性(30代)

浦飯幽助は典型的な少年漫画の主人公ではありますが、正義感と不器用ながらも真っ直ぐな信念の他に、不真面目さと捻くれた感覚も持ち合わせた少年です。さらに何故闘うのか?強くなりたいのか?に悩む身近な悩みを抱える主人公でもあるといったところでしょう。

個性の違うキャラクター達の存在。
浦飯幽助の他に不良の同級生桑原和馬、昔は伝説の妖怪で今は人間として暮らしている優等生の蔵馬、幼い頃国のしきたりで赤ん坊の頃に捨てられ盗賊になったストイックな飛影と生い立ちも闘う理由も違うキャラクターたちがいる事
。彼らは決して仲良しではありません。お互いの闘う理由を深入りして考える事もありませんが、目的の為に協力していく姿は少年たちながらビジネスのチームとも言えるでしょう。

この漫画の見どころは強さとは何なのかを学んでいく姿です。
主人公と脇役という形ではなく、誰もが主人公になれる個性を持った仲間たちはそれぞれ闘う目的も強さを求める気持ちも違います。彼ら1人1人が『何のために強くなるか』を自問しながら悩み、そして答えに近づいていきます。

そして1番魅力的なシーンは、浦飯幽助と序盤最大の悪役戸愚呂との闘い。暗黒武術会決勝戦です。
師匠幻海の仇でもある戸愚呂の純粋な強さに憧れもあった幽助。力を付けるだけが強さではない、大切なことではないと命を張って教えた幻海と命を投げ出し幽助の目を覚まそうとした友人桑原の死で、仲間の大切さを知った幽助。最後は仲間が大切だと言う信念を持って戸愚呂を倒します。

そこまではバトル漫画のお約束です。
この漫画の役付けが深いところは、敗れた戸愚呂にも闘う理由があったこと、敗れることを望んでいたこと。
若い時の戸愚呂もまた、幽助に近い理由で強さを求めて闘っていたこと。その理由を知れば、単純な判断で善悪と分けることはできません。悪役ではあったが決して彼は悪ではなかったと読書も納得できることでしょう。そして、彼は今までの自分の不始末を清算するための責任を取ります。

この責任を取るという行為が、当時子供の立場であった私たち世代にも『大人と子供』の立場の違いを教える名シーンでもありました。

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